カナダ バンクーバー旅行記


【HELLO カナダ】

目が覚めると外は雨だ。それにしても最近の天気予報はよく当たる。
飛行機を降り空港を歩き出す。初めての異国の地、カナダ バンクーバー。
ドーナツを食べる白人がいている、コーヒーを飲んでる白人がいている。ほ
んとにカナダへ来たんだと思った。旅行カバンを転がしながら空港の出口へ
向かった。外は少し寒かった。バスに乗り込みダウンタウンへ向かった。

町を歩けば噂どおりにアジア人が多かった。町並みは少しこじゃれていて
て好きになれそうだ。今日はダウンタウンのホステルに泊まることにした。


【カナダでホームステイ】

ホームステイに興味を持っていた。外国文化に触れるには一番いいと思った。
早速バンクーバー新報と言う日本人向けの新聞で調べ、何件かに電話をかけた。
しかし、広告主が日本人だったり、もう既に空きが無かったり。そんな中、何
とか1件のホームステイ先を見つける事ができた。英語が良くわからなかったが
なんとか話がまとまり、翌日からさっそくステイする事になった。それはカナダ
に来て3日目の事だった。


【ホストファミリー】

ホストファミリーはイラン人だった。すごく人のよさそうな人だった。 食事はあまり豪華ではなく、イランと言う感じもしなかった。 初めは彼らをカナディアンだと思っていたが、後にイラン人と知った。 同時にカナダはどういった国かを教えてくれた。 色んな国の人々が安住を求め移り住んで来たんだと、、。


【カナダで映画をみる】

ファミリーで映画を見に行った。オレ、ファザー、マザー、ルームメイトのトルコ人。
本物の映画だ。果たして楽しむ事ができるだろうか。久々の映画に少しワクワクしていた。 とても悲しい映画だった。会話は分からなかったが、内容は十分に理解できた。横の トルコ人は大声を出して泣いていた。会場の至るところからすすり泣く声が聞こえた いた。映画が終わり外へ出ると、知らない人同士が握手をし語りあっていた。 すごく新鮮な光景だった。「サンキュー、ナイスムービー」。我々は車に乗り込み、 家路へ向かう。少しずつ映画のシーンが蘇ってくる。明日には忘れている事を祈ろう。


【お別れの時】

Are You Fine! 家に戻るといつも真っ先に耳に入ってくる言葉。だけどもそんなホストファミリーとも もうすぐお別れ。いろんな理由でホームステイを辞める事にした。 わずか1ヶ月で家を出ると告げた時、ホストは何故と言う顔をしていた。 短期で去る人間はあまりいないのだろう。家を出るのはホンの気まぐれだった。 何か悪い事をした気分になっていた。


【ホットドッグ】

町のいたるところでホットドッグを売っている。そして至る所には物乞いがいている。 日本で流行りのストーリーとミュージシャンも勿論いている。だが、こちらでは物乞い とストリートミュージシャンの区別がつかないのだ。 街を歩けば流行のコーヒーを片手にホットドッグをむさぼる人をよく見かける。私もそ れにハマッた人間の一人だ。ホットドッグは路上で買うもんだ、そして歩きながら食べ るものだと言う観念をこの街で植え付けられた。


【カナダの雨】

やはり今日も雨だ。この街に雨は似合わない。だが、その割には良く雨が降るのだ。 しかし、だからこそ晴れの日が一段と輝きを増す。この街は実は楽しませ方を知ってい るのかもしれない。そしてそんな雨の日が続けば、自然と思いが沈む、、、。 冬のバンクーバーは雨の日が多い。一度降り出すともう止まらない。 そんな日は決まってコーヒーショップへ行った。物思いに耽る。雨の音が聞こえる。 悪い事ばかり思い出す。鬱な気分とは裏腹に何故か雨の音が好きだった。バンクーバ ーの雨は不思議な力を持っているのかもしれない。


【イングリッシュベイ】

バンクーバーがどういう街かというと綺麗な街だ。世界で住み易い都市No1と言われる 所以が分かった気がする。そして多くの人がのんびり暮らしているイメージだ。街の至 る所にコーヒーショップがある。これがこの街、この国の性格を象徴していると言って も過言ではないだろう。この街は海に面している。イングリッシュベイからの眺めは最 高だ。


【スチームクロック】

ガスタウンのスチームクロックはバンクーバーの観光名所の一つである。 定刻になると蒸気が噴出すのだ。この地区はヨーロッパ調のエレガントな町並みが続く。 バンクーバーで一番歴史のある街だ。


【ホステル】

朝目が覚めた。寝心地の悪いホステルのベッド。どっかから拾ってきた剥き出しのスポン ジにただシーツを掛けているだけ。オレにうってつけのベッドをホステルのオーナーは知 っている。 一部屋に4人が泊まっていた。その中に職を求め遥か東の街からやって来たカナディアンが いた。アフリカで育ちカナダに移民して来たと言う。まくら元にはマリア様を置いていた。 そしていつも聖書を読んでいた。神様はどこへいるのか尋ねたら、その人は自分の胸を指し た。いつもやり切れない顔でどこかを見つめていた。


【カナダの地図】

宿で地図をひろげてみた。そこで妙な事にきずく。カナダの主要な街は全てアメリカとの国境 近くに集中している。カナダ北部の気候は生活には向いていないのだろう。北米の油田地帯ア ラスカはカナダ北部に位置するが、アメリカの領土になっている。カナダはまるでパンの耳み たいだ。地図を眺めていると、大陸のいい所は偶然にもアメリカが占めているように感じた。


【カナダの税金】

同じホステルに泊まった老人が言っていた。カナダでは貧富の差が大きすぎる。そこそこの会社 に勤めている人間や公務をしている人間と、その下の人間の差が開きすぎていると言う。その老 人曰く、カナダはもっと教育に金をかけるべきだ。金がないのなら税金を上げてもいい。 教育の為に金を使うならいくらでも税金を払う。老人は訴えるかの様に語っていた。